6月1日に事務所を開設して10周年になりました。
大学卒業後、まったく税理士になることなど考えることなく、普通に上場企業に就職しました。
最初はデパートの売場に配属されたのですが、営業に向かなかったのか、入社3年目からは経理部に異動になり、その後10年間は経理部一筋でその会社の決算や税務申告を担当するようになりました。
細かい数字を扱う経理の仕事が合っていたのか、仕事に関する知識をより深めたいと考え、30歳を過ぎてから休日を使って税理士の資格取得のための専門学校に通い始めました。
その後、毎年1科目ずつ試験を受け、3科目合格したところで、このまま会社員を続けるよりも税理士としてやりたいことをした方が自分には向いているのではないだろうかと考え、方向転換したのが34歳でした。
やはり会社員をやめて税理士になるわけですから、いずれかは自分で事務所を開きたいと考えていましたが、上場企業の経理と普通の税理士事務所が扱う中小企業の経理は違いますので、経験を積むために何年か税理士事務所に勤務することにしました。その後、税理士事務所に勤務しながら、残りの科目になんとか合格し、自分の事務所を開いたのが38歳です。
私は会社員のときから相続税などの資産税が好きで、自分で事務所を開くなら資産税に特化した事務所にしたいと考えていました。そうはいっても最初はお客さんがまったくおりませんでしたので、なんとか40歳になるくらいまでには事務所の経営が軌道に乗ればいいなと考えていました。
自分が考えていた通り最初の2年くらいは忙しいということはなかったのですが、セミナーの講師に呼んでいただいたり、司法書士の方と相談会を実施したりしながら、人のつながりを広げることに時間を使っていました。
開業から3年くらいたつと、近所の方や司法書士さん、建築会社などにお客さんを紹介していただくようになりました。さらにそのお客さんの仕事をきっちり丁寧に行うと、そのお客さんから知り合いを紹介していただくようになり、気が付いたら開業10年になっていたというのが今の実感です。
一方で10周年を迎え、事務所としての課題も出てきました。
税制が変わり平成27年から相続税の申告が大幅に増えたため、一件一件の相続に向き合うべきところ、このところ作業的に業務を行っているのではないかと反省することがあります。また、資産税は毎年のように制度が変わるので参考図書や研修などで勉強する必要があるのですが、日常の仕事に追われて、その部分に手が回っていないところもあります。
10周年を迎え、もう一度開業時の気持ちを思い出し、ひとつひとつの仕事にまじめに向き合いたいと思います。
最後に、この10年間事務所を支えていただいたお客さま、お付き合いさせていただいている司法書士さんなどの関連士業の方々、不動産業者さん、勤務していただいている職員さん、その他事務所に関連するすべての方々に感謝いたします。そしてこれからもよろしくお願いいたします。